モンスリ公園


 やたらと飛行機雲の多い午後だった。パリ13区のモンスリ公園では、家族連れや若い恋人達が芝生の上で日向ぼっこしている。夕食までの時間をのんびりと散歩した。典型的な穏やかな春の休日の午後。金はないけど暇だけは売るほどあった学生の頃は、友人達と代々木公園まで歩いて行き、意味もなくボールを蹴ったり缶ビールを飲んだりして、時間をつぶしていた。昨日と同じように日は暮れていき、明日と同じような夜が訪れる。時の流れはどこかの干潟で滞ったまま、だんだん干し上がっているようだった。あの無駄で無意味で切迫した時間はなんだったんだろう?