"Atonement"

Atonement

Atonement

 バンコクからパリへの帰りの飛行機で、この小説が原作の映画を二度も見てしまった。最初は英語で二度目は日本語。雰囲気はもちろん原語がいいのだけれど、日本語吹き替えでは幾つかの新発見があった。やっぱり俺の英語力は頼りない。

 2002年のこのベストセラー小説を元に"Pride and Prejudice"の監督Joe Writeが映画化。主演女優も前作同様、同監督お気に入りのKeira Nightley。フランス語の題は"Reviens moi"。Keira Nightleyが映画の中で恋人に"Come back to me"と囁く場面があって、それが原題かな思ったけれど、さすがに英国人はそんな野暮な題は付けない。

 どんな出会いもどんな別れも当事者にとっては唯一無二なものだけれど、それを上手く普遍化するのが芸能の領域なんだろうな。その意味では"Cold Mountain"も同じようなもんだけど、ニコラ・キッドマンの美貌の代わりに、時間を少しずつ遡る手法がこの映画の表現に独特の彩りを与えていた、と言えばちょっと意地悪だな。七十を過ぎた元少女の回想が、最後に物語の全体像に新しい視点を付加する。それでもう一度物語を反復する気になったんだと思う。二時間の映画を連続二回見ても飽きなかった。

ところが、続けてみたフランス映画二本はひどかった。

最初は lecoeurdeshommes2-lefilm.com – lecoeurdeshommes2-lefilm.com

次は  http://www.cesoirjedorscheztoi-lefilm.com/

両方とも、暇つぶしが唯一のとりえの典型的なフランス恋愛コメディで、飽きはしなかった。しかし、それにしても、ハリウッドの商業主義を批判するのはいいが、税金を注ぎ込んでこんな映画を量産してる場合か、と云いたい。