パークアベニュー


 JFK空港を出たとたん、熱風が頬を撫でる。気温は37度。この時期には記録的な暑さらしい。大西洋を隔てて、秋から突然真夏にワープしたみたいだな。四次元の世界があれば、二つの三次元の世界が交差する扉があって、そこを通れば別の世界に行くことになる。満天の星空を眺めながらガールフレンドと散歩していた少年の頃のある真夏の夜、彼女がその扉を通って別世界に行ってしまったら、俺はもうこちら側に戻れないとしても、彼女の後を追っていくだろうかと自問したことがある、ような気がする。もしかしたら、あれも真夏の夜の夢だったのか?