サンリス


 六月だというのに、どうしてこんなに寒いんだ?慌しい一週間だった。先週の日曜日は横浜の元町辺りを古い友人と散歩していた。月曜日にパリに戻ったばかりなのに明後日はマンハッタンのホテル。それで、せめて今日くらいは、赤い薔薇で壁が覆われた家の扉を叩いてみたい。六月はもう夏の終わりが始まろうとしている。扉を開いてくれるのは誰なんだ?