ロングビーチ


 空と海と砂浜が曖昧な青に溶け込んでいる。影と光が交じり合っている。誰もいない砂浜を自転車が通り過ぎる。それをベランダからぼんやりと眺めている。昔どこかでなんかこんな景色を見たことがある。

 朝なのか夕方なのかよく分からない。春なのか秋なのかよく分からない。晴れているのか曇っているのかもよく分からない。私はどうして一人でこんなところにいるのだろう?もしかしたら、誰かを待っているのかもしれない。時間はゆっくりと流れているようだが、太陽の在処はよく分からない。

そうだ、もう少ししたら、渚まで歩いてみよう。